校長の東です。
2025年半分過ぎました。
早いですね・・・
年越しをしたのが“この間”くらいの感覚です。
さて、今回は母音の「ア」についてのコラムです。
■母音の「ア」は分類できる
日本語の母音は、「ア イ ウ エ オ」の5つです。
しかし、厳密に言うとそれぞれの母音を、細かく区別することができます。
さて、どういうことか・・・
少しややこしいですが、以下が、細かく区別することができる理由です。
英語の母音で、日本語の「ア」に聞こえる母音をザッと挙げると
【 a 】 【æ】 【ʌ】 【ǝ】
こんな感じです。
それぞれ発音が違います。
普段の会話であれば、「ア」の発音は英語発音の【 ʌ 】に近いですが、発声や歌唱になると「ア」の母音の発音は一気に種類が増え、日本語の歌詞を歌っていても【æ】 【a】 【ǝ】のような発音が出てきます。
なんなら、上に挙げた4つ以上に分類も可能。
そして、他の母音と比べて「ア」は種類が多いです。
■母音の「ア」はクセが出やすい
普段の会話の中では、割と「ア」みんな共通した発音なのですが、発声や歌唱になると急に個性が出てきます。
単純に「明るい」「暗い」、「子供っぽい」「大人っぽい」から、少し難しく「オに近いア」「エに近いア」などなど。
原因も個性豊かで、十人十色。
そして、無意識でやっていて、クセになっていることが多いので、「ア」の発音、発声に問題がある場合は、苦戦することが多いです。
※僕の場合は、「ア」の発声でアゴが前に出てしまうクセがあり。声がこもりがちで、ピッチが低くなるクセがあり、めっちゃ苦労しました。
■母音の「ア」はコントロールが難しい
発声、歌唱における「ア」には発音に幅があり、個性というかクセが出やすいので、意図的にコントロールするには訓練が必要です。
さらに、「ア」には「音響的」な特徴があります。
それは、「地声スイッチ」が入りやすいという特徴です。
地声が苦手な女性には、発声練習に効果的な母音ですが、地声が強い男性にとっては無駄な力みの原因になることがあります。
力強い「ア」は出しやすく、少し力が入りすぎると聞き辛い声になります。
柔らかい「ア」は難しく、息もれや中途半端な地声の原因になります。
裏声に至っては、「ア」で発声しようと思っても、息っぽくなったり、豊な響きを作りにくかったりと、難易度が高くなります。
※試しに「ア」の裏声を、出してみてください。コントロールするの難しくないですか?
「音声的」にも「音響的」にも、「ア」はコントロールが難しいのです。
■母音の「ア」は歌の上手さに影響する
難しくて、ややこしくて嫌になると思うのですが(苦笑)
発声や歌唱において「ア」がコントロールできているのか?
実はコレ、歌の上手さにかなり影響してくるポイントです。
発声練習で「ア」の訓練が必要な場合、しっかり取り組み、ニュートラルな「ア」を発声できるようになると、多様な「ア」を知る、掴むキッカケになります。
そうすると、楽曲の聞こえ方に違いが生まれるので、歌唱にも必ず影響が出てきます。
また、地声、裏声、低音、高音でのそれぞれで「ア」の母音の発声をコントロールできるようになると、表現力の幅がグンと広がります。
コントロールが難しい母音なだけに、コントロールできるようになると、かなりのアドバンテージになるのです。
そして、単純に歌が上手く聞こえます。
■母音の「ア」のまとめ
なかなか、読むのに疲れる内容だったと思います。
お疲れ様でした笑
ナナイロミュージックでは、レッスンでも「ア」の発声練習には慎重です。
生徒さんなら「確かに“ア”の発声ってあんまりしないかも」と思われると思います。
理由は、今回のコラムに記した通り、コントロールが難しいからです。
もちろん、地声の強化や、「ア」のクセが発声や歌唱全体に大きな影響を与えている場合、積極的に「ア」に取り組みます。
また、歌唱の中ですぐにコントロール可能な場合も、積極的に「ア」を扱っていきます。
単純で、簡単そうに感じる「ア」が、実はラスボス並みに厄介な存在なのです。
今回の内容は、独学では客観的に捉え、練習することが難しいと思います。
気になる方は、ぜひレッスンにお越しください。
その場でのエクササイズはもちろん、可能であれば1人でも練習できる方法もお伝えできると思います。
それでは、また次回のコラムをお楽しみに!
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