校長の東です。
ボイトレ関連の内容になるとマニアックになりすぎる傾向があるので、やや避け気味だったのですが、今回はボイトレっぽいことをコラムにしてみたいと思います。
■声の「響き」について
発声や歌唱では、よく「響き」という言葉が出てきます。
そしてそれは、「共鳴」という言葉になってボイトレ業界では使われる傾向があります。
「響き」「共鳴」と、口にするのは簡単ですが、しっかりと理解することは本当に難しいです。
僕自身も、まだまだ勉強中です。
また、この「響き」は様々な方向から考えることができるため、「響き」と一言で言っても人によって違うことを考えている場合もあります。
体で実際に起こっていることと、感じ方のズレなんかもあります。
ですが、今回は「響き」を一定の内容に絞って簡単に解説したいと思います。
■「声道」を2つに分ける
早速、難しそうな言葉が出てきましたが・・・
「声道」とは、文字通り「声の道」で、「声帯(ノド仏の中)」から「唇」まで空間のことを指します。
「声帯」で声の元(原音)が作られ、「声道」で「響き」が作られ、「声」となって外へ出るみたいな感じです。
この「声道」を2つの空間に分けます。
1.「ノドの空間」→「声帯」から「ノドチンコ」くらい
2.「口の空間」→「ノドチンコ」あたりから「唇」まで
以上の2つの空間です。
■2つの空間
「ノドの空間」と「口の空間」、それぞれの形や大きさの組み合わせによって「母音」が変化したり、「声質」が変化したりします。
様々な声の「響き」が作られるのです。
2つの空間の形や大きさは、「ノド仏の位置」「舌の形」「アゴの位置」「唇の形」などにより多彩に変化し、声に様々な「響き」や「影響」を与えます。
■「ノドの空間」
ナナイロミュージックのレッスンでは、「ノドの空間」を、低音から高音まで、それぞれの母音で一定の広さ確保するエクササイズを行います。
「ノドの空間」は、目で見えないのでイメージすることが難しいのですが、一番わかりやすいのは「ノド仏の位置」です。
「ノド仏の位置」は鏡で確認ができて自覚しやすいです。
※ちなみに「ノド仏」は、女性にも存在していますが、男性よりもノドの高い位置にあることが多く、場所が分かりにくいかもしれません。
・「ノド仏の位置」が高い→「ノドの空間」が狭い
・「ノド仏の位置」が低い→「ノドの空間」が広い
こんな感じです。
これに、「舌の形」が関わってくるのですが、ややこしくなるので一旦置いておきます。
「ノドの空間」を一定の広さ確保することで得られる「響き」により、低音から高音まで安定した発声が可能となります。
特に力強い高音の発声には、「ノドの空間」を確保し得られる「響き」が不可欠です。
あと、「低音・地声」の「響き」は「ノドの空間」でブーストされます。
リッチな「低音・地声」の「響き」も、「ノドの空間」の確保が必要になります。
ただし「ノドの空間」を確保することが【正しい】のではありません。
表現によっては、「ノドの空間」を狭く使うことも大いにあります。
あくまで、「ノドの空間」の確保は発声の訓練の1つという理解が必要です。
■「口の空間」
「唇」を広げ「アゴ」を落とすと、声の出口を大きく確保できます。
単純にこれだけが「口の空間」の確保かというと、そうでもありません。
「唇」を窄め(すぼめ)、「アゴ」を落とすと、見た目では口は開いていませんが、口の中には一定のスペースができ、これも「口の空間」の確保していることになります。
さらに「ノドの空間」で少しだけ触れましが、「舌の形」が絡んできます。
ということで「口の空間」をコントロールすることも訓練が必要になってきます。
「口の空間」で作られる「響き」は、主に「高音・裏声」に関わってきます。
キレがある高音の発声や、説得力のある裏声に「口の空間」で作られる「響き」が不可欠です。
また、声のトーンの「明暗」にも影響します。
「口の空間」のコントロールにおいても、大きく確保することが【正しい】ではありません。
「口の空間」を上手くコントロールできるように訓練することが大切なのです。
■「ノドの空間」と「口の空間」
「響き」次第で、声の印象は大きく変わります。
それだけではなく、声の出しやすさも大きく変わり、今まで出せなかった低音が出たり、高音の発声が楽になったりします。
「響き」は、声質だけでなく体にも大きな影響を及ぼすのです。
▶︎「ノドの空間」大きい + 「口の空間」狭い
▶︎「ノドの空間」大きい + 「口の空間」大きい
▶︎「ノドの空間」狭い + 「口の空間」大きい
などなど…
さらに「大きい」「狭い」だけでなく、「やや大きく」「やや狭く」などの組み合わせもあり特定の「声道」の形を狙うこともあります。
と、中々難しく感じられると思いますが、実際難しくもあり、「ノドの空間」と「口の空間」という2点に絞っているので意外と単純で掴みやすかったりもします。
歌う際、一度この「2つの空間」と「響き」について意識してみると面白いかもしれません。
少し「ノドの空間」を広くしてみようとか…
「口の空間」をキープしてみようとか…
歌っている感覚が変わるかもしれませんね。
もっと詳しく知りたい場合は、気軽にレッスン中で聞いてくださいね。
では、またボイトレ関連のコラム書いてみたいと思います!
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