校長の東です。
今回は、歌唱時の「歌声」と、普段の会話で使っている「話し声」についてのコラムです。
コラムのタイトルが結論なのですが、「歌声」と「話し声」について少し理解するだけで歌唱時に違いが出てきます。
ぜひ、最後までご覧くださいませ。
■「歌声」と「話し声」の違いとは
基本的に「歌声」と「話し声」は、別物です。
普段の会話で使っている「話し声」で歌ってしまうと、歌は非常に幼く、辿々しくなってしまいます。
イメージ的には、未就学児童の歌のような感じです。
逆に「歌声」で普段の会話をしようとすると、英語を母国語とされている方が、一生懸命に日本語を話しているような感じになります。
少し分かりにくいと思いますが、本当にそんな感じなんです。
■「歌声」と「話し声」の違い
「歌声」と「話し声」の違いを説明すると、色々な要素に分類されややこしくなるので、今回はできるだけ簡単に説明したいと思います。
例えば・・・
”大切な人 愛してる”
という歌詞があった場合。
▶︎歌声: tai se tu na hito a i si te ru
※音が出ますのでご注意ください。
このように、アルファベットのような解釈で発音します。
それに対して・・・
▶︎話し声: タイセツナヒト アイシテル
※音が出ますのでご注意ください。
このように、そのまま日本語を単純に発音している感じになります。
■「母音」と「子音」の発音
「歌声」は「話し声」よりも、「母音」「子音」の区別しっかり持ち、それぞれを発音するように意識します。
先ほどの歌詞で言うと・・・
”大切な人”の”大(タイ)”
▶︎歌声:tai
→ “t” と “ai(アイ:二重母音)” という組み合わせ。1音。
▶︎歌声:タイ
→“タ” と “イ”という組み合わせ。2音。
このように、“ai(アイ)”という二重母音が出てきたり、音の数に違いができたり・・・
”大切な人”の”な人(ヒト)”
▶︎歌声:na hito
→“na”[ンナ]という発音と、”hito”の”h”でしっかり息の音をさせる発音の組み合わせ。
▶︎話し声:ナヒト
→“ナ” + “ヒ” + “ト” というようにシンプル。
「歌声」は、子音の発音が強調されたりします。
その他、「歌声」は母音の発音の種類が多様になり、無声子音などの子音なども出てきます。
ですので、より幅広く豊な表現が可能になります。
やはり、歌は「歌声」で歌うのがベストです。
■具体的な練習方法
中々説明することが難しいのですが、なんとか言語化してみました(苦笑)
「ヘェ〜。そおなんだぁ〜。」くらいにでも思ってもらえたらと思います。
が、ここからは具体的な練習方法です。
現在練習中の曲があるとします。
①その曲の歌詞を紙に出力します。
②そして歌詞の上下どちらかに、アルファベットで歌詞を書き直していきます。
③アルファベットの方を見て歌います。
以上です。
この練習のコツは、英語が母国語な方のようにアルファベットを歌うように、海外の方が不慣れな日本語で歌うように歌うことです。
このコツが難しくて上手くできなくても、脳内で日本語をアルファベットに変換するクセがついてくれるので、それだけで良い練習になります。
その他にも、アルファベットに書き直した歌詞の、母音のみを歌う練習をしてみるなど、さまざまなアレンジも可能です。
少し手間がかかりますが、ぜひやってみてください。
■「歌声」と「話し声」のバランスを意識する
何度も繰り返しになりますが、「歌声」と「話し声」は異なります。
歌は「歌声」で歌う必要があります。
しかし、その中の一つの表現方法として「話し声」を混ぜることもあります。
やや「話し声」をミックスしたような歌い方も可能です。
「歌声」に比重を置きすぎて、日本語の歌詞が死んでしまうこともあります。
「歌声」と「話し声」を区別し、バランスを意識できるようになると、かなりの上級者ですよ。
今まで、なんとなく歌っていた歌に違いが生まれてくれたなら、幸いです。
それでは、また次回のコラムをお楽しみに!
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