校長の東です。
ナナイロミュージック独自のボイトレメソッド
【VSIメソッド】
このメッソドに沿って、各講師はレッスンを行なっているわけですが、
【VSIメソッド】での呼吸について、一部を解説したいと思います。
【VSIメソッド】は、
◆Vocalization(発声)
◆Singing(歌唱)
◆Impression(感動)
大きくこの3つの柱に分かれています。
呼吸、呼吸法は、『Vocalization』の中の項目に含まれています。
呼吸、呼吸法といえば、声を出す上でとっても有名なのが
「腹式呼吸」です。
伝統的にというか、当たり前にというか、
「腹式呼吸」は、基本中の基本で、絶対必要と疑いなく考えがちです。
果たして、本当にそうでしょうか?
【VSIメソッド】では、
「できた方がいい」程度で捉えています。
実際のレッスンでも、レッスンを始めたばかりの時期を除いては、「腹式呼吸」をメイン行うことはかなり少ないと思います。
「腹式呼吸ができるから、◯◯ができる」
「腹式呼吸ができていないから、◯◯ができない」
こういうことは、ほとんど無いからです。
高い声も、
声量がありハリのある声も、
直ぐに喉が疲れるのも、
息がもたないのも、
ほとんど「腹式呼吸」と関係ありません。
それぞれの問題には、
喉の筋肉群や共鳴腔など
様々な要因が複合的に絡んでいます。
その中に、もちろん呼吸は含まれますが、
「腹式呼吸」が大きな問題になるということは、
ほとんどありません。
目指す目標に向かって発声が効率的になってきた際、
吸う息(吸気)
吐く息(呼気)
が、最適化されてくるので、無駄がなくなり「腹式呼吸」っぽくなります。
逆に
「腹式呼吸」を使って、ある一定の発声の感覚をつかむエクササイズで
「腹式呼吸」を使用することがあります。
歌唱においても、ポピュラーミュージックでは、
「腹式呼吸」は、あまり気にしなくても良いでしょう。
むしろ「腹式呼吸」を気にするがあまり、
不自然な発声、
個性を失いがちな発声、
自由さを失った歌唱表現に陥ることが多々あります。
(昔の私もその一人でした・・・)
これは、「腹式呼吸」を重要視する、伝統的な発声理論の
最も大きな弊害と言っていいと思います。
事実、皆さんが好きなアーティストが、LIVEで歌っている動画を、動画共有サイトなんかで見てみてください。
どれだけの、プロが「腹式呼吸」を実践している
または、実践できてきるでしょうか?
(息継ぎの時、肩が上がる、胸が上がる。これらは、完璧な腹式呼吸ではありません。時間があるときにでも、チェックしてみてください。)
あまりにも、大きく息を吸い込みすぎることが、発声や歌唱の問題になっている場合は、「腹式呼吸」を使って、呼吸の最適化を図る場合があります。
が、あくまで、エクササイズのツールとして「腹式呼吸」を利用しているに、過ぎません。
【VSIメソッド】における、「腹式呼吸」は
「できないと駄目!」
ではなく、
「できた方が良い」
このようなスタンスなのです。
ボイトレを頑張っている皆さん。
「腹式呼吸」から自由になりましょう。
他にも、「腹式呼吸」にこだわる必要がない理由は、あるのですが、今回はここまで。
【VSIメソッド】については、また紹介をしていきますので、興味のある方は、ぜひ次回もご覧ください!
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Written by 東 幸太朗