校長の東です。
かれこれ物心ついた時から歌っていて、青春時代はバンド、ソロでLIVEなんかやって、ボイストレーナー・ボーカル講師になったわけですが・・・
何周も回って、その度に、改めてPOPSの要は「リズム」だと思うことが多いです。
今回は「リズム」について書いていきたいと思います。
■「リズム感」いい?悪い?
「リズム感が悪いんです・・・」なんて、よく聞くお悩みですが、そもそも「リズム感」とは何のことを指して言っているのか?
実は、「リズム感が悪い」と悩んでいる本人も、具体的にわかっていない場合が非常に多いです。
「リズム感がいい人」と「リズム感が悪い人」の違いは何でしょうか?
意外と答えるのが難しく無いでしょうか?
「リズム」と一言で言っても複数の項目に分かれます。
■「リズム」の種類
「リズム」には、ザックリと以下の種類があります。
①テンポ
②ビート
③符割り(ふわり)
④グルーヴ(ノリ)
ほとんどの場合、これらを何となく「リズム」と言っています。
おそらく多くの人は、①テンポを「リズム」として捉えているかもしれません。
しかし、それだけでは無いのです。
■①テンポ
「リズム」の中で一番イメージしやすいのが「テンポ」だと思います。
「テンポ」とは、その曲のスピードのこと。
「BPM」とも言います。
「BPM」とは「beat per minute(ビート・パー・ミニット)」の略。
拍(beat)/ 分(minute)つまり、1分あたりの拍の数です。
※テンポ(BPM)=60は、秒針のスピードと同じ。
「テンポ」における、「リズム」の良し悪しは、「テンポ」に対して歌が早くなってしまう、または遅くなってしまうという点で図ることができます。
「テンポ」に対して歌が早くなってしまうことを「ハシる」。
逆に、遅くなってしまうことを「モタる」と言います。
ほとんどの人は、「ハシる」か「モタる」かどちらかの癖があり、その原因も様々です。
ちなみに私は、昔から現在に至るまで「モタる」癖がしぶとく残っています・・・
■②ビート
「ビート」とは、”この場では”主に「8ビート」「16ビート」のことを指します。
※そもそも「ビート」は「拍・拍子」や「叩く」「打つ」など広い意味を持った言葉です。
8分音符で刻まれる「リズム」を「8ビート」。
16分音符で刻まれる「リズム」を「16ビート」。
中々、文章で伝えるのが難しいですが「へぇ〜」くらいに捉えてください。
その他にも「2ビート」「4ビート」などありますが、POPSで主になるのは、「8ビート」「16ビート」です。
「ビート」における、「リズム」の良し悪しは「8ビート」「16ビート」に対する感覚・感性の良さになります。
④グルーヴ(ノリ)とも被る部分ではありますが、もう少し限定した要素になります。
■③符割り(ふわり)
「符割り」とは、メロディーを構成している各音の長さの割り振りことです。
例えば「タンタンターン」というメロディーの「符割り」。
「タンタタターンタ」というメロディーの「符割り」などなど。
「符割り」における「リズム」の良し悪しは、「符割り」を正確に捉えて歌えているかになります。
「符割り」は、アクセント、抑揚表現、②ビート、④グルーヴとの関わりが強いので、非常に重要です。
しかも、苦手な人がやや多い印象があります。
「リズム」の中でも理解と訓練をしっかりしなければいけない要素です。
■④グルーヴ(ノリ)
「グルーヴ」とは「ノリ」のことです。
「グルーヴ」は、アーティストや楽曲のジャンルにより変わります。
「感覚的」であったり「雰囲気」であったり、フワッとしたイメージが強いもしれませんが、割としっかりした技術・テクニックです。
無意識に備わっている人もいれば、ピンとこない人もいます。
どの様な人であっても、様々な楽曲に触れ「グルーヴ」を感じる意識を持つことが大切です。
そして何よりも楽曲に「ノッて」体を動かしたり、音や「リズム」に浸るように楽しむことが良い練習になります。
もちろん「知る(認識する)」ことから掴むこともできます。
「知る」ことはやはり大切です。
■「リズム感」の正体
以上の複数の要素をさらに細かく分けることもできれば、複数の要素を合わせて、新しい要素として捉えることもできます。
「リズム」と、一言で言えてしまうがために単純に聞こえますが、その要素は多くの枝葉に別れ、非常に奥が深いのです。
最低でも上に挙げた要素の2つ以上を気にして、好きな楽曲や自分の歌の「リズム」について分析してみると、それだけで良い練習になります。
さらに、体に与える影響も大きいので、「リズム」の捉え方一つで歌唱に大きな違いが生まれます。
多分皆さんが思っているよりも、体に与える影響はかなり大きいです。
(※一瞬で声量が増えたり、高音が出たりすることが普通にあります。)
■何周回ってもやっぱり「リズム」
なので、歌っていても、聞いていても、教えていても、何十年やっていても・・・
やっぱり「リズム」に回帰します。
以前よりも深く「リズム」が理解できたり、感じられたり、たまに裏切られたりします。
本当にPOPSの要は、何よりも「リズム」だと思っています。
『「リズム」さえ良ければ、後はどうにでもなる!』
これくらい思っています。
マジで。
ぜひ、皆さんも少しでもいいので「リズム」に対して意識を持ってください。
超オススメですよ。
それでは、また次回のコラムをお楽しみに!
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