校長の東です。
この度、とある案件をいただき、複数回の出張レッスンを行いました。
その中で、感じたことをコラムにしたいと思います。
■短期集中のレッスン
今回の案件は、短期集中で1曲をできる限り歌えるようにするというものでした。
本来、短期集中のレッスンは、発声や歌唱の根本的な改善につながりにくいためオススメしておりません。
しかし、やんごとなき事情があり「とにかく何とか歌えるようにしてほしい!」という強いご要望だったので、こちらとしても『プロ根性』でお受けしました。
繰り返しになりますが、本来「短期集中」のレッスンはオススメしておりませんので、オファーの際はご相談ください。
■状況の把握と改善に向けて
1週間に1回、2時間のマンツーマンレッスンという条件。
クライアント様はご高齢で、仕上げたい楽曲は、一度も歌ったことのない曲。
(※ご高齢の場合、こちらの指導から改善まで、時間を要することが多い傾向にあります。)
実際に歌っていただいたところ、仕上げたい楽曲のリズムもメロディーも掴めておらず、カラオケ伴奏に対してもずっとズレているという状況でした。
今までの経験上、内心「これは結構な時間が必要。間に合うかな・・・」と思っていました。
とにかく、1フレーズずつメロディーの確認をしながらレッスンを進めていきます。
耳だけではなく、視覚や触覚に訴えかけるように、正しいリズムとメロディーを掴むための反復練習を行いました。
■希望の光
中々、正確なリズムとメロディーを掴めないものの、クライアント様の「凄まじい集中力」で、少しずつ形になりかけます。
この「凄まじい集中力」こそ、状況改善の希望の光でした。
レッスン開始から1時間、ひたすら反復練習を繰り返しても、1回1回の歌唱に集中し、試行錯誤を繰り返されます。
全く集中力が途切れず、指導しているこちらが「水分を取りましょう」「一息つきましょう」と区切らなければ、ずっと練習を続けられます。
しかも、こちらの指導に対して、もの凄く素直で「言われたことをとにかくやってみる」という姿勢。
全く腐ることがない精神力に、こちらが驚かされました。
■限界からその先へ
「凄まじい集中力」「素直な姿勢」と上達のために必要なものを、しっかり持っていらっしゃるクライアント様ですが、やはり一度のレッスンで得られる成果の限界はあります。
「今日はこれ以上やっても意味がない」というところまで、2時間みっちりレッスンを行い、1週間後のレッスンまでの宿題を出します。
①今日のレッスンの復習
②明確になった課題に対しての練習
この2点です。
①を行うには、レッスンを録音しておく必要があります。
ですので、しっかりと録音し、レッスンの復習をしていただきました。
②については、弱点・課題をクリアするために練習方法などを提示し、毎日それをやっていただきました。
■3回目のレッスン
3回目のレッスンが最終回、ピッタリ3週間の短期集中レッスン。
全く歌えなかった楽曲が、かなり歌えるようになりました。
もちろん、カラオケ伴奏に合わせてです。
「凄まじい集中力」
「素直な姿勢」
「限界までレッスン」
「レッスンの録音&復習」
「課題に対しての個人練習」
どれか1つでも欠けていたら、この結果にはならなかったと思います。
■今回の出張レッスンを通して
上達に導くのは、当然、講師の役目。
でも、やはりクライアント様、ご本人の努力あってこその上達。
全く知らない楽曲、全く歌えない状況で、ご高齢でも….
まるで別人のように歌えるようになるんです。
講師だけが必死でもダメ。
クライアント様だけ必死でもダメ。
望む結果は、息を合わせて、二人三脚で掴むものだと強く感じました。
自分にとっても、とても有意義な出張レッスンでした。
クライアント様、関係者の皆様、この度は、ありがとうございました。
そして、本当にお疲れ様でした。
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