前回のコラムで、『ミックスボイス』と『ベルティング』を流行という観点で語りました。
(※前回コラムはコチラから!→)
今回は、「ボイストレーニング」と「ボーカルレッスン」について書きたいと思います。
前回のコラムの続きです。
【ボイトレの流行り②】
「ボイトレ(発声練習)」よりも「ボーカルレッスン(歌唱練習)」が大切だ!
「そうだそうだ!」
「いや、そうじゃない!」
「バランスが大切だよね・・・」
これには、色々な意見があると思います。
今、YouTubeを中心に、この流行りは確実に存在しています。
そして、今は流行りでも、今後、ボイトレ業界を大きく2つに分ける流れになるのではないかと、自分は考えています。
以下、自分なりの考察です。
①【ボイトレの一般化】について
前々回のコラムで書きましたが、
日本では、伝統的なクラシックの発声理論と、根拠の乏しいオリジナルメソッドが混在したまま、大手ボーカル教室チェーンによる
【ボイトレの一般化】が進みました。
それまでは、歌手を目指す人や、プロが受けるものだった「ボイトレ」が
一気に、一般人のものになったのです。
日本では、カラオケが一般的な娯楽で、当時のカラオケブームも後押ししたと思います。
しかし、日本で「ボイトレ」というもの自体が、まだまだ成熟していない上に、
ボイストレーナーもみんな初心者ということから、
クオリティーの低いレッスンが行われていたはずです。
つまり、「ボイトレ」に通っても歌が上手くならないということが起こります。
ちなみに、この【ボイトレの一般化】によって、
街の「カラオケ教室」は、影を薄めていきます。
(※またはボイトレ教室・スクールの姿をした、「隠れカラオケ教室」として形を変えていきます。)
②理論的なボイストレーニングの登場
この状況を、打破するかのごとく、アメリカ仕込みのボイトレメソッドが輸入されます。
ここで『ミックスボイス』という概念が登場します。
しかし、『ミックスボイス』を習得するには、個人差はあれど、
正しいエクササイズとある程度長い期間が必要であることを知らずに、
『ミックスボイス』を掲げたボイストレーナーやスクールが増え
そのレッスンを受ける人が増えていきます。
さらWeb上でも、錯綜した情報を簡単に知ることができるようになります。
③ボイトレが信頼を失う
カラオケ文化が根付いている日本で、
多くの人が「ボイトレ」で歌が上手くなりたいと思っているのに・・・
スクールに通っても、Webで情報を拾っても
「上手くならないじゃないか!!」
「ボイトレって、本当に上手くなるのかな・・・」
少しづつこんな感じになっていって・・・・
④「ボイトレ」より「ボーカルレッスン」が大切だ!
「ボイトレ」で、よくわからない発声練習をするよりも、
手っ取り早く、歌が上手くなる(上手く聞こえる)「ボーカルレッスン」が大切だ!
それに、「ボーカルレッスン」で歌い方のバリエーション、テクニックを知れば、
耳もよくなる!(歌の聞き方が変わる!)
少しづつ器用になって、アウトプットもよくなる!(歌がカッコよくなる!)
何よりも、地道な「ボイトレ」よりも楽しい!
こんな感じで、
「ボイトレ」より「ボーカルレッスン」が大切!
が、現在、流行っているのだと考えています。
【「ボイトレ(発声練習)」のメリットとデメリット】
・発声を根本的に扱い、基礎力を高める。
・発声の問題を解決し、声量のコントロール、声質の改善とコントロール、高音へのアプローチなどを可能にする。
・それぞれに時間がかかる。
【「ボーカルレッスン(歌唱練習)」のメリットとデメリット】
・歌唱テクニックを練習し、歌唱表現の幅を広げる。
・歌、音楽のインプットとアウトプットの質を向上させる。
・早い効果が期待できる。
・発声力が足りず、できないことがある。
・発声の根本的な問題の解決に向いていない。
以上を踏まえた場合、
【ボイトレの一般化】によって
「カラオケが上手くなりたい!」という思いを中心とした、
ライトな層には、「ボーカルレッスン」が向いているかも知れません。
「音楽活動をしている」
「歌をガチの趣味にしている」
など、ライトな層とは少し区別される方や、プロの方は、
「ボイトレ」が向いているかも知れません。
今後、この流行りをきっかけに、
ボイトレ教室・スクールの「カラオケ教室化」が、進むような気がしています。
(すでに「隠れカラオケ教室」は多くありますが・・・)
完全に影を薄めていた「カラオケ教室」の復権。
多くの方が望んでいたのは、これなのかも知れませんね。
表向きは同じボイトレ教室・スクールでも、
中身が「ボイトレ」に強いのか・・・
「ボーカルレッスン」に強いのか・・・
または、バランスが取れているのか・・・
あ、ちなみにナナイロミュージックは、開校当初から、
「ボイトレ」と「ボーカルレッスン」を区別していました。
HPの「スクールの特徴ページ」あるコレ
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
つまり、ナナイロは、開校当初から
「ボイトレ」と「ボーカルレッスン」のバランスを取ろうという考えです。
正確に言うと・・・
どちらかに特化するのではなく、
両方特化する!
こんな感じですw
(本気ですよ。)
ただし、「ボイトレ」に関しては、「ボーカルレッスン」よりも
高いレベルの、専門的な知識、技術が必要だと考えています。
ある程度、歌が上手くて器用な方だと、フレーズの構成、細かいテクニックなどの
「ボーカルレッスン」は、表面的に行えてしまいます。
「ボイトレ」で発声の改善、基礎力の向上を測りながら、
それを歌の中に落とし込むなどの「ボーカルレッスン」は、優秀なボイストレーナーしかできません。
今まで、様々なボイストレーナーを見てきて、そう思います。
今の「ボーカルレッスン」ブームは、信頼を失った「ボイトレ」のカウンターだと捉えていますが、
一時的なものとして終わらず、このまま、「カラオケ教室化」した、ボイトレ教室・スクールが増えると思います。
また、そういうスタイルのボイストレーナーも増えるでしょう。
決して悪いことではありません。
なぜなら、それを望んでいる人が多いからです。
そんな自分も、「ボイトレ」に関しては、知識・技術の習得に終わりがないため、
ついつい、そちらに傾倒しがちになります。
しかし、それだけでは、満足な歌は歌えません。
発声の問題を解決することも大切ですが、魅力的な歌を歌うことも大切。
この流行りをきっかけに、もう一度、自分の考えと向き合うことができました。
出来るだけ多くの、歌が上手くなりたい人の力になれるよう、今後も努力を続けます。
業界の荒波の中、突き進むんじゃー!
長いコラムになりましたが、最後まで読んでくださった方、
ありがとうございました。
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