こんにちは、校長の東です。
前回のリズムについてのコラムの続き【後編】です。
(前回【前編】のコラムは → コチラ )
どんどんマニアックになりますが、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
■③ビートについて理解する
様々なビートがありますが、とりあえず「8ビート」「16ビート」「シャッフルビート」を知ると良いです。
【8ビート】
4拍子の曲を、4分音符(♩)の半分の長さの、8分音符(♪)を基本として刻んだビート。
<特徴>
シンプルで軽快。スピード感がある。
ロック調の曲に多い。
楽曲によるけれど、鋭いアクセントをつけて、力強くかつ疾走感を意識して歌うとカッコよくなる。
↓こんな感じ。
【16ビート】
4拍子の曲を、4分音符(♩)の1/4の長さ、16分音符(♬)を基本として刻んだビート。
<特徴>
細かく強弱の効いた刻みにより、リズムに抑揚が生まれる。
テンポが遅くなると、ゆったりしたノリになる。
メロディーが旋律的(メロウ)なる。
R&Bに多く、最近のPOPSでも16ビートが非常に多い。
↓こんな感じ。
【シャッフルビート】
言葉での説明が難しいが、跳ねたようなビート。
「タ タ タ タ」とビートを刻む場合、
シャッフルでは「タッタ タッタ」となる。
「4ビートシャッフル」「8ビートシャッフル」「16ビートシャッフル」と、それぞれ存在する。
<特徴>
テンポが遅いとゆったり感が強調され、テンポが早いと軽快さが強調される。
POPSから民族音楽まで、幅広く使われる。
最近のJ-POPで結構多く使われている印象。
メロディーに小さい「っ」や「ー」を入れて歌う。
↓こんな感じ。
ビートの特徴を押さえて、曲のビートにマッチした歌を歌う必要がある。
この点がチグハグだと、何かノレない、パッとしない歌になってしまう。
「この曲のビートは何だろう?」とか考えながら音楽を聞くのは、楽しいし良い練習になります。
■④ノリ(グルーヴ)について理解する
僕的には、POPSでは最も重要だと思っています。
「①拍子」の強弱
「②テンポ」
「③ビート」の特性
全て「④ノリ」と関係性があります。
自然に生まれる抑揚やアクセント、スピード感などと共に、意図的にそれらをコントロールすることで、歌に奥行き、深みが生まれます。
例えば・・・
『4拍子の強弱や8ビートの疾走感を感じているが、あえてそれらを表現せず、サビで思いっきり表現する。』
『シャッフルビートの曲で、あえて跳ねた感じを出さず、不穏で怪しい雰囲気を演出する。』など・・・
これは、「ノリ」をコントロールして楽曲に豊かな表情を与えます。
もちろん『元気で楽しい曲をシンプルにノリノリで歌う』ことも、「ノリ」です。
「ノリ」がカッコいいと、多少音程がズレていても、発声にクセがあっても「個性」として成立してしまうことがあります。
HIP-HOPなんて、まさにそうじゃないでしょうか?
それまでに「ノリ」は大切です。
■自然に感じるリズムに「意図」を持たせる
【前編】【後編】通して、リズムを分類して解説しました。
発声も音程も大切ですが、音楽のキモは「リズム」です。
僕は、20代の頃、現役プロミュージシャンや後にプロとして活躍するミュージシャン達と多くの時間を共に過ごしてきましたが、とにかくメトロノームを使った基礎練習を徹底的にやっていました。
その中で、色々な「リズム」の解釈や練習方法、その効果に触れて「リズム」の重要性を身をもって知っています。
そして、ボーカリストは楽器のプレイヤーよりも「リズム練習については疎い」という印象を持っています。
ほとんどの場合、皆さんは、リズムを自然に感じて、表現しています。
でも、誰かと差をつけたり、もうワンランク上の歌唱表現をする場合、それだけでは不十分な場合が多いです。
必要な知識をつける、もしくは最低限の知識をつける。
そして、コツコツ練習を積み重ねる必要があります。
何となく自然に感じ、表現していた「リズム」に「意図」を持たせられたら、他のボーカリストと大きな差が生まれます。
決して難しくはありません、知識、練習を積み重ねるだけで可能です。
コラムでは、難しく感じるかもしれませんが、ぜひとも理解して欲しいと思います。
ちなみに僕は、バンドを始めた中学生の時、メトロノームに合わせて歌うことすらできませんでした(苦笑)
それでは、また次回のコラムをお楽しみに!
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